【国民一人当たり900万円の借金】は本当か？
日本における、国民一人当たり900万円の借金は本当か？という話です。
結論から言うとウソです。安心してください。詳細を知りたい方はこのまま読み進みていきましょう。
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日本借金は1000兆円に騙されるな
『日本は借金大国で、借金は1000兆ある』と聞いたことがありませんか？
このように言われた場合、借金だけ見ずに、資産にもきちんと目を向けてみましょう。
資産と言われると『んん？』となる方が多いと思うので、説明しましょう。
企業では、おカネを集めて、集めたおカネで設備投資・増築・雇用などを行います。つまりおカネをどのように運用しているかを表しているのが資産です。
他にも純資産や負債という項目がありますが、こちらはどのようにおカネを集めたかという事を表しています。
- どのように集めたか：純資産(貯金、利益)、負債(借金とか)
- どのように運用しているか：資産(設備、建物、雇用)
というわけで、日本の資産も見ていきましょう。
以下のようになっています。
- 年金積立金：121兆円
- 道路・堤防：130兆円
- 外貨証券等：221兆円
- 大学出資金：58兆
- 国債(日本銀行)：400兆円
参考は、マンガでわかるこんなに危ない⁉消費増税のIMFによる日本のバランスシートからです。
ちなみに最近のデータは、ここの国の財務書類のところにあります。
この内訳、分かりにくいのでもう少しギュっとしてみましょう。
- 年金・道路公共施設など：647兆円
- 国債(中央銀行)：400兆円
あれ？国債って資産になるの？と思うかもしれません。
ですが、我々個人がお金を使って国債や株券に変えたとしましょう。その場合でも、国債や株券はその人の資産になります。同じことが政府の場合にも言えるわけです。
日本の借金1000兆円はありますが、資産1000兆円の価値を日本は保有していることを覚えておきましょう。
『でも、借金はあるじゃないか！』そう思いますよね。でも大丈夫です。
誰が借りている借金？
よく、国民一人当たり900万円の借金があるといわれますね。
では一体、誰が誰から借りている借金なのでしょうか。
日本の借金の内訳を見てみましょう。
- 国内金融機関：36％
- 日本銀行：47％
- その他：17%
参考は、令和2年度日本の借金(国債)財務省からです。
国内金融機関というのは、国民が銀行などに預けているお金のことです。
『あれ？政府が俺らのおカネ借りてるの？』と思ったことでしょう。その通りです。
つまり『国民一人当たり900万円の借金がある』という表現は間違っていることになります。
この表現は以下のように置き換えることができます。
こういうなんです。なんだかブン殴りたくなりますね。
でも、国民は『あれ？そうなの？そんなに借金あるの？やべーじゃん』となっているだけで、何も知りません。消費税増税もやむなし！と思ってしまう訳です。
日銀は子会社
そして、もう一つは日本銀行です。
日本の借金の内訳
- 国内金融機関：36％
- 日本銀行：47％
- その他：17%
日本銀行は政府の子会社となっています。
子会社という事は、日銀の株式の半分以上を政府が持っているため、政府は日銀を自由に動かせるわけですね。
(この日本銀行が外国の銀行だったりすると、リアルな借金になってしまいます。こうなるとギリシャと似たような状況になってしまいます)
そして、政府は日銀からお金を借りているわけですが、政府がお金をもらう代わりに日銀には債券というものが発行されます。
債券というのは、『期限までに利子を付けてお金を払います』という証明書です。
今のところの仕組みとして、日銀が国債を発行し、代わりに政府がお金を受け取る形になっています。
よくある表現では、『日銀が政府の債券(国債)を買っている』状態と言われますね。
日銀が政府の債券を買うところを見てみましょう。
まずは日銀が貨幣を発行します。政府が債券を用意します(分かりやすくするためにこの表現をしています)
そして日銀が政府の債券を買う訳ですね。
日銀が政府の債券(国債)を買う事で、お金が政府に行きます。
このお金は公共事業を通じて、国民に行きます。
さて、話を戻しましょう。図で見て分かるように、日銀には債権が残っています。この債権は、日銀にとって資産に当たります。
そして、日銀は政府の子会社であるため、日銀の資産である債券は、自動的に政府の資産となります。
- ①日銀の債券は資産
- ②日銀は政府の子会社
- ①と②より、政府は資産として債券を持っている
ということです。そのため、最初に紹介した国の資産の分にも400兆円が含まれています。
そして、正式には日銀から借りた分のお金は負債には入れません。
ですが、このように日本の借金が多いという事を見せつけておけば、国民に消費増税を賛成してもらうには十分でしょう。
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でも、ギリシャとか危ないって聞くよ
ギリシャでは借金が膨らんで財政破綻(経済活動による資金調達ができなくなること。会社で言えば倒産)しそう、という事を聞いたことがありますね。
ですが、ギリシャの通貨はユーロです。
ユーロは、ユーロに加盟している国の間で使われる通貨の為、簡単にユーロ通貨を発行してもらうことはできません。日本がギリシャと違う点は、自国の通貨で経済を回しているか否かです。そのため、自国の通貨でお金を借りている日本では、財政破綻の心配をする必要はありません。
まとめ
- 国民一人当たり900万円の借金はウソ：僕たちが貸している
- 日銀のもつ国債は負債ではなく、資産である
ここまで読むと、『あれ、じゃあ、政府は日銀に頼めばお金を無限に発行できるんじゃ…』と思いますよね。
可能です。ですが、無限となると、インフレーション(お金の価値が極端に下がること)になりかねないため、『物価が上がり始めたかな？』というぐらいまでおカネを発行すればいいのでは？という考え方が提案されています(MMT：Modern Monetary Theory)