【AI】:機械学習と統計ってどう違う?
前回、数式を使わない【AI:人工知能】のお話において、ざっくりとAIってこんなものだよ、という説明をしました。
しかしながら、AIを勉強していくと、機械学習の中に統計の知識・式がよく使われます。
そして必ず迷うのが、『機械学習と統計って同じなの?』という点です。この辺りを今回は探っていきましょう。
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機械学習ってなんだ
まず、機械学習とは、AI(人工知能)を実現させるための手法です。
ちなみにAIは、コンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に再現する分野のことです。
そして、機械学習は、AIを実現する手法であり、より具体的な手法の一つにディープラーニングがあります。
また、機会学習の特徴として以下の点が挙げられます
- ある法則をつかんで予測すること
- 法則の自動化ができる事
前回も言ったように、ある状態をパラメータ化し、ひとつの予測をします。そしてその結果をフィードバックさせ次回に生かすということができれば、機械学習であるというわけです。
さて、話をまとめると
AI(分野の事) >機械学習 >ディープラーニング、その他
となります。
さて、問題は統計との比較です。
統計って何だっけ
統計とはどんな分野でしょうか。
統計とは、あるデータから全体を把握すること、と言えます。
例えば、『鍋に入った味噌汁はどんな味か』を調べるときは統計の分野と言えます。
その時の調べ方は、味噌汁をいろんなところから取って味見をすればいい訳です。ですが、すべての個所で味見をしてしまうと味噌汁が無くなってしまいます。
そのため、例えば10か所で取ってきた味噌汁から、平均の味を出すという事は可能です。しょっぱいのか辛いのか、などですね。
このように、ある一定数のデータから味噌汁の味を推定するときは、統計の分野になるでしょう。全体を把握するために、母数(平均、分散など)が出てくるのも特徴です。
他にも全国の20歳男子の平均の身長を出すというときも、もちろん全員分データをとってもいいのですが、多すぎてコストもかかり、現実的ではありません。
そこで、全国からランダムにデータを選び、何人かから集めて平均を出すことをするのです。
- ある一定数のデータから、全体を把握する
- 母数(平均・分散)で把握する
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機械学習と統計の違い
では、いよいよメインである機械学習と統計について比較していきましょう。
実は、機械学習を学んでいると統計で使われるような式がちょいちょい出てきます。そのため、『あれ?機械学習って統計の事なの?』と誤解しがちです。
という訳で両者を比較してみましょう。
- 機械学習:ある法則を予測、自動化
- 統計:全体を把握、母数で把握
めっちゃ似ていますね。
ですが、この時点で、『自動化されているのが機械学習で、統計にはそれが無い』といってもいいでしょう。
しかし、今回は似ている点にフォーカスを当ててみます。
両者の似ている点のみ並べました。
- 機械学習:ある法則を予測
- 統計:全体を把握
やっぱり似ています。ですが、求めたいものが違います。
機械学習はある一つを予測するのに対し、統計ではぼやんとした全体を捕えようとします。
ただ、式としては機械学習でも統計でも同じようなものを使う、のですね。すなわち、手段は同じだけれども目的が違います。
まとめ
機械学習も統計も、同じような式(手段)を使いますが、求めたいもの(目的)が違います。
両者で求めたいものは、
- 機械学習:ある法則を予測
- 統計:全体を把握
また、機会学習では、自動化というのも大きなポイントですし、統計では母数がポイントになります。