茶道:【風炉と炉】お点前の比較

手順(茶道) 茶道

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風炉と炉のお点前の違い

基本的な比較(図解)

季節

  • 風炉   :5月~9月
  • 風炉(中置):10月
  • 炉    :11月~4月

10月は中置の時期ですが、作法としては風炉になります。ただし、道具の配置が変わります。次節の道具の配置図を参考にしてください。

風炉・中置・炉の道具の配置図

風炉、中置、炉の道具の配置は以下のようになります。

風炉と中置の配置図の比較↓

炉の配置↓

その他

基本、戸は閉めますが、風炉(中置も含む)の薄茶のみ風通しを良くするため戸は開けたままになります。

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全然違う【濃茶】の【中仕舞い】

風炉と炉で中仕舞いの意味が違います。しかしながら、中仕舞の前に、本仕舞も大切なのでついでに覚えておくといいと思います。

  • 本仕舞い:水指しの前に棗、茶入れと茶碗を置く置き方
  • 風炉の中仕舞い:自分の体の真ん中を茶碗と棗で分ける置き方のこと
  • 炉の中仕舞い(濃茶のみ):おふく加減を尋ねた後に『蓋置と柄杓を建水に片づけること』

・本仕舞は、(本来、水指しがある位置の前方に)水指しの前に棗、茶入れと茶碗を置く置き方(炉・風炉ともに1年を通じて行う。小間(4畳半以下)、外隅狙い、長板・台子・重ね茶碗・貴人点・中置)になります。

・風炉における中仕舞は「自分の体の真ん中を茶碗と棗で分ける置き方」(広間、内隅狙い、棚・平手前・本勝手)のことを指します。

・炉における中仕舞は炉の濃茶の場合に限る作法になります(調査中)。
タイミングとしては「おふく加減は?」と正客に尋ね終わった後に、蓋置と柄杓を建水側に片付けます。これが炉における中仕舞いになります。蓋置や柄杓を建水側に片づけるのは、この後に正客に向き直ってあいさつをするためで、これらの道具が邪魔になるため片付けるます。

全然違う【濃茶】の【水指し】の扱い

風炉と炉で水指の扱いが若干異なります。

  • 風炉の薄茶:お茶を点てる寸前に水指の蓋を取る
  • 風炉の濃茶(に限る):お茶を練る寸前に水指の蓋を取り、水を釜にいれ、湯加減を見る
  • 炉の薄茶:お茶を点てる寸前に水指の蓋を取る
  • 炉の濃茶:お茶を練る寸前になっても水指の蓋は取らない。末客の喫み切りの後に行う。
      (末客の喫み切り→蓋置・柄杓を点前座に戻す→ 釜の蓋を取り、柄杓を釜にあずける→ 水指上の茶巾を釜の蓋の上に置く→ 水指の蓋をとる)

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炉:濃茶のみ:中蓋の作法

炉の濃茶のみ、中蓋という作法があります。

  • 炉の濃茶のみ:茶筅通しのお湯を茶碗に入れた後、釜の蓋を閉める

冬の時期なので、釜の湯の温かさを逃がさないようにするためと思われます。

道具編

●【風炉】建水を扱う時に、ひと膝向こうに向ける
>点前座を避けるため。
点前座は釜があるところ、反対側は勝手付けという。勝手付けは亭主の左側(自由が利く方の手)のこと。
建水を持つときひと膝ずらすのは、神聖な点前座を避けるため

●【柄杓】は身が切ってある方が風炉用
>百人一首「風そよぐ 夏の小川の夕暮れは みそぎ夏の しるしなりける
身が削いである側、つまり柄杓の内側が削っている方が夏(風炉)用。(風炉:5月~10月、炉:11月~4月)

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参考文献

参考記事1:風炉の中仕舞いと本仕舞いとは?
参考記事2:本仕舞いと中仕舞い 裏千家茶道