【税】から見る【特権階級】と【国の崩壊】
税金というと、消費税だったり所得税だったり、自動車税だったりありとあらゆるものに課せられていますよね。
『政府さん、何でこんなにとるの?』と思うかもしれません。歴史を学んでみても、『平民への税を重くした』とか『植民地への税を…』などと、国と税金は切っても切り離せない関係にあります。
今回は、税金と国の崩壊について視点を当ててみます。
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税金が無いとどうなるか
税金が取れないと、国は滅んでしまいます。
公共事業をするにも軍を整えるのにも税金が必要です。これが無くなれば、国内はあれ、外敵から身を守ることができません。
ですが、実際に全く取れないという事にはならず、一部の特権階級の人たちのによる優越によって、だんだんと国崩壊していくことが多いのです。
共和制ローマの税徴収の問題
実際に、税の問題によって滅んだ国があるのかという話ですが、歴史的に見てもあるのです。
例えば共和制ローマ時代、ポエニ戦争によって領土が拡大しました。
しかし、広すぎた故に今度は税金の徴収が難しくなったのです。遠くの土地まで言ってわざわざお金を集めてい来るのはかなりコストがかかりますよね。そのため、その当時のローマではある土地の『税徴収権』という権利を販売していました(自分たちで集めるにはコストがかかるため、前払いでもらってしまおうということ)。
売値はその土地の5年分の税金の金額です。もちろん買うことができるのは一部の富裕層であり、税徴収の権利を。すると、富裕層は、その土地でさらに多くの税を徴収し、私腹を肥やす訳です。
当然この税徴収権という特権が問題になり、市民から反乱が起きます。
ですが、その特権はローマ帝国になるまで続き、初代皇帝アウグストゥスが生まれるまで続けられます。その後国の方で税を徴収する形になるのですが、富裕層の間であの手この手で脱税します。そしてローマはいつの間にか滅んでいってしまったという訳です。
参考:【ローマ帝国の誕生】尊厳者:アウグストゥスが生まれるまで
フランス革命時の教会の特権
フランス革命時にも、同じことがありました。その当時、アンシャンレジームという身分制度があり、3つの身分に分かれていました。
第一、第二身分が聖職者と貴族、第三身分が市民です。そして、第一身分の聖職者には十分の一税という権利を持っていました。これは、もとは聖書からの寄付しなさいという文言が、いつしか国の税回収の決まり文句になってしまった特権です。
そして、収入の十分の一を治めなければ、キリスト教を破門になってしまうわけです。
ちなみにですが、この当時の破門というのは、部活を退部させれられたというレベルではありません。ヨーロッパ各国がキリスト教であり、もし税を治めなければ、ヨーロッパで自分一人だけ村八分状態になってしまうのです。
そうはなりたくないため、みんな収めようとします。
しかしながら、この税徴収は、教会ごとに納めなければなりませんでした。そのため、聖職者側は、コンビニ感覚で教会を建てまくります。
徴収した税は四分の一は聖職者へ、残りは教会にお金を出した富裕層であるスポンサーのもとに行くわけです。
その後は、この特権がもとで、どんどん腐敗していき、フランス革命ののち、ルイ16世とマリーアントワネットの公開処刑へと繋がっていくわけです。
特権階級が国の崩壊へ
ローマでは税徴収権を持った富裕層、フランスでは税徴収権を持った教会が、というように一部の特権階級の人たちを注目してみましょう。
この特権階級の人たちがトリガーとなって、国の崩壊を招いていることが分かります。少しずつひずみが生まれているという訳ですね。
今の日本ではどうか
では、今はの日本ではどうなっているのでしょうか。
実は、かなり前から特権階級によるひずみは生まれていました。
日本:消費税増税と法人税減税
日本では近年、消費税が10%になりましたよね。実はこれがまさに一部の特権階級が優位になっていることと関係があります。
そして消費増税の裏では、法人税(企業に払う税)が減税されています。
法人税減税ということは、会社が儲けたとしても目減りする量が少ないという事です。つまりは、その企業内でお金持ちの人を生みやすい、言い換えれば、法人税減税=お金持ち優遇の施策という訳です。
一方で消費税は、選挙は【権力の監視】である①でも少し触れているのですが、庶民もお金持ちにも、モノの値段に応じて回収する税金です。
そのため、100しか持っていない庶民と、100万持っているお金持ちがいて、50の消費税を払ったとするとダメージとしては庶民の方が大きいわけです。
そして、消費税が増税されて苦しいのは庶民なわけですね。
また、消費税を導入してから格差社会が生まれたと言われています。
収入のある人は、より冨み、無い人はより貧しくなる。まさに消費税導入によってひずみが生まれ、消費増税によってさらにそのひずみが大きくなってきています。
もしかしたら、日本はもうしばらくすると、何か大きな出来事があるのかもしれませんね。
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まとめ・参考文献
今回は、ある一部の特権階級によって、国にひずみが生まれ、崩壊を招いた歴史があるという事を解説しました。
日本も今まさに格差が生まれ、お金持ちが優遇されるようになってきているため、選挙に行くなどしてみんなで政治に介入していかなくてはいけません。