茶道:棚について

知識(茶道) 茶道

棚のお点前の概要

平点前(棚無しで、道具を持ち出してお点前するやり方)では気づかないが、棚のお点前の場合は、茶事を想定した流れになっていることが良く分かる。
茶事の前半を省くと、濃茶 → 薄茶の流れになる。
そのため、濃茶のお点前が終わると、そのまま薄茶のお点前ができるように水指の水を水次で補充したり、濃茶の時点から棗を飾っていたりと平点前にはない特徴がある。

平点前では、水指は水屋に持って帰るので、そこで水の補充ができるし、棗も飾っておく必要はない。
(なら柄杓と蓋置飾ってるのはなんでや、と言われると何も言えない、、、また調べます)

  • 棗を飾っておく
  • 水次で水指の水を補充する
  • 柄杓や蓋置を飾る

棚のお点前の特徴

●柱の数で水指の扱いが変わる
>3本柱なら:水次の際に、水指しは底板のぎりぎりまで出して、蓋置の蓋は前に置くようにする。水次も口が長いものを選ぶ
>4本柱なら:水次の際に、水指しは棚から取り出す?(分かったらまた書きます)。水次は口が短いヤカンにする。

●水指が底板についていると、、、
>底板があると、蓋置は瀬戸物、湯返しも必要になる。また、蓋置に柄杓を置くときは音はない方がいい(瀬戸物で割れやすいから?)
>底板が無いと、蓋置は竹、湯返しも不要になる。蓋置に柄杓を置くときは音がある方がいい(竹だから音が鳴った方がふぜいがあるから?)

●柄杓や蓋置を飾るときは、、、
・ひっかける場所があれば、そこに柄杓をかけ、蓋置はその真下へ。
・ひっかける場所がなれば、一番上の板の左上から柄杓の合が1/3、柄は右下から1/4のところに置く。蓋置は同じくその板の、左下から、右と上にそれぞれ1/2か蓋置の高さぐらいの位置におく。
あと、お仕覆もひっかけるところがあればそこに掛け、なければ天板に置く。

棚の種類

お稽古で扱う棚が増えてきたら順次更新します

【徒然棚(つれづれたな)】
裏千家十四世 無限斎(むげんさい)碩叟宗室(せきそうそうしつ)が好んだ棚。
「業平棚」(なりひらだな)とも呼ばれる。炉に用いられます。
・客側に棚の中をなるべく見せないように、戸を開ける。戸を開ける際は、棗を持ち換えて右手で右戸を左手で左戸を開ける。

【旅箪笥(たびだんす)】
千利休が豊臣秀吉の小田原の陣に従った際に考案したらしい。
風炉、炉共に用いる
・鍵付きの扉を開閉する手順が増える(濃茶だと開けっ放し、薄茶だと閉じた状態から)

【杉棚(すぎたな)】
裏千家十一世 玄々斎(げんげんさい)精中宗室(せいちゅうそうしつ)が好んだ棚。
・中段の板がスライドする手順が増える(板を動かさないと、水指を扱いにくいから)
 
【誰袖棚(たがそでたな)】
炉のお点前で、風炉の形式で行ったような気がする(棚が大きいから)
裏千家十四世 無限斎(むげんさい)碩叟宗室(せきそうそうしつ)が好んだ棚。

【五行棚(ごぎょうたな)】
十一世 玄々斎(げんげんさい)精中宗室(せいちゅうそうしつ)が好んだ棚。
五行棚は、中置用の風炉を置く棚で、水指は置かない。

柄杓と蓋置を飾るときは、柄杓は上の段に点てに置く。
蓋置は下の段の左下側に置く。

【秋泉棚(しゅうせんだな)】
裏千家十四世 無限斎(むげんさい)碩叟宗室(せきそうそうしつ)が好んだ
秋泉棚は、東京の大宮御所内に貞明皇后(大正天皇夫人)のために建てられた茶室「秋泉亭」の用具として作られた。
炉・風炉ともに用いられる

【山雲棚(さんうんだな)】
裏千家十五世 鵬雲斎(ほううんさい)汎叟宗室(はんそうそうしつ)が好んだ棚。4本棚の扱い
山雲棚は、炉・風炉共に用いる。

【山里棚(やまさとだな)】
千利休好みの小棚。
地板は砂摺りになっていて、湿らせて使用することが出来るため、備前や信楽などの素焼きの濡れ水指を用いることができる。
山里棚は、大阪城内山里の茶席で初めて使われたという説と、大阪城山里丸の仕付板を棚とされたという説がある。