【デフレ】と【不況】を徹底的に理解する

お金 現社

『デフレについて説明してください』と言われたら、
大体の方は、『ブッカガー、サガッテー…』と言葉に詰まりながら答えると思います。

デフレとは文字に起こすと、たった三文字の言葉ですが、実は奥深い言葉です。
こっそりデフレについて学びたい。そんな方はぜひ読んでみて下さい。

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デフレとは

デフレとは、

供給過剰によって、モノが売れなくなり、物価が下がる現象の事です

ただ単に物価が下がるではないのです。

供給過剰を始まりとしているところがポイントです。

はぁ。あまりよくイメージできませんが。。。

そうですね。イメージできませんね。もう少し具体的な説明を入れましょう。

ある町では、1万件の家があります。そして、その村では自動車が普及しておらず、誰も所有していません。
そんな村で自動車を売ることを考えてみましょう。

ここで考えてほしいことは、供給過剰がどんな状態なのかという事です。

この町のみんなが自動車を欲しがっていると想定して考えてみましょう。
販売当初ははどんどん売れていくでしょう。ですが、5000台、7000台、8000台と、その町の家の数に近づいていくにつれ、売れ方も徐々に落ちていきます。
そして、自動車が1万台を超えるか超えないか辺りで、ぴたりと売れなくなるはずです。

自動車は一度買ったら、そう簡単にまた買うようなものではありません。少なくとも、数年は同じ自動車を所有するでしょう。
すると、町の人たちはもう自動車を欲しがらなくなります。

供給が過剰になっていく

街の人たちの自動車に対する欲しがり度合い(需要)が落ち着いたのにもかかわらず、その後も自動をどんどん作っていったらどうなるのでしょうか。
当然、売れずに余っていきます。

ですが、自動車は売らなければなりません。
どうしても売りたいお店側は、値段を安くしてでも売ろうとします。

ですが、それでも売れないでしょう。なぜなら町の人たちに自動車は必要ないのですから。

ちなみに、供給過剰になる前に自動車の生産量を落とせばいいのでは?と思った方もいるかもしれません。
しかしながら、産業革命の時代では、どんどん供給することでみんなが豊かになるという事が信じられていました。第一次世界大戦後のアメリカで起こった大恐慌の原因も、作りすぎによるものでした。

売れたとしても…

自動車がかなり割引された後、お金に余裕のある家が2台目の自動車を買うかもしれません。
ですが、割引後に売れたとしてもお店は儲かりません。そして、あまり儲からないと、お店の従業員に払うお金がありません。

さて、この辺りから嫌な雰囲気が出てきましたね。
この後は、店の従業員に払うお金がなくなるため、その従業員たちは消費をしなくなります。倹約に励むわけです。

あらゆる面で起きる

さて、今回は自動車を売るお店を例にしましたが、このようなことがあらゆる企業で起きるわけです。
モノを作りに作りすぎて、世の中にモノが余る状態になってしまう訳です。でも、誰も買わない。そんな状態がデフレです。

売れたとしても儲けにならず、儲けにならないため、従業員にお金を払えず失業者が出てきます。
失業者が多く出ると、モノを変える人が少なくなるわけですので、あらゆる企業で儲けが出ず、段々しぼんでいきます。この状態を不況というわけです。
すなわち、デフレが不況を生み出していくわけですね。

不況って何やねん

さて、不況とはどんな意味でしょうか。
不況とは、景気が悪いという事です。では、その逆の景気が良いとはどんな意味でしょうか。

色んな言い方があるかもしれませんが、基本的には、GDPが去年より上がっている状態を景気が良いと言います。。
GDPとは、国内の消費がどれだけあったかを表しています(正確には個人消費、民間投資、政府支出、海外輸出)。

つまり、みんながモノを買えば買うほどGDPが上がるわけです。その状態を景気が良いと言います。
去年のGDPが10兆円で、今年のGDPが12兆円であれば、GDPは上がっているわけです。

さて、不況に話を戻すと不況というのは『国内でモノが売れていない状態を表している』ことが分かりますね。
そして、不況とはデフレによる供給過剰で需要不足(モノが余って、売れなくなる)によって引き起こされることが分かります。

物価下落の裏返し

さて、デフレによって結果的に物価が下がることをいいました。これは、裏返すと、貨幣の価値が上がるという事を表しています。
手持ちの貨幣が少ないため、持っておかなければならないため、貨幣の価値が上がるという訳です。100円玉硬貨の価値が、あたかも200円になるような効果を孕んでいるのがデフレです。

そして貨幣の価値が上がっていくのため、企業が銀行からお金を借りる際、返済時にはさらに多くの借金になっているという訳です。

また、銀行も貨幣を持っていた方が得であるため、融資を受け付けず、さらに返済を急ぐようになるでしょう。この面でも企業としては大打撃です。大変な時期こそお金を借りたいのに、融資を受けることができなかったり返済を急がれたら、しぼんでいくしかありません。

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まとめ

  • デフレとは、供給過剰で需要不足の状態のために起こる物価下落の事
  • 物価が下がることは、貨幣の価値が上がること
  • デフレが引き金となって、結果として不況になる

デフレと言うと、どうしても価格が下がっていることに目が行きがちです。
しかしながら、価格が下がっているのは、供給過剰でモノが売れないためです。売るために仕方なくモノの値段を下げているのです。

そして、モノの値段が下がるという事は、相対的に貨幣の価値が上がることも意味します。
ここを押さえておきましょう。