ドイツへの賠償金と【世界恐慌】

世界史

前回、【第一次世界大戦】の続きです。
第一次世界大戦後、ドイツは天文学的な賠償金をふっかけられてしまいます。

ですが戦後ドイツもお金が無く、イギリスやフランスに払うことができません。しかしながら、イギリス・フランスも『お金が無い+アメリカからお金を借りていた』ため、借りたお金をアメリカに返さねばなりません。そのため、ドイツに賠償金をせがみます。

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アメリカがドイツを融資する

さて第一次世界大戦中、イギリス・フランスはアメリカからお金を借りていました
戦争にはお金がかかります。一方で、アメリカは鉄道・第二次産業革命、農業、金鉱などなど経済的に発展していたため、お金が潤沢です。また、第一次世界大戦はヨーロッパが戦場だったため、アメリカ大陸・経済ともに無傷でした。

そのため、イギリス・フランスへお金を融資します。そして代わりに債券をアメリカが保有します。

債券とはいわゆる『借金を~までに利子~だけつけて返します』という証明書のことです。戦時中にイギリス・フランスがアメリカからお金を借りていたという訳ですね。

戦後のドイツの賠償金をどう支払うのか

さて、第一次世界大戦が終わったらドイツに1250兆円の賠償金が課せられますが、当然払えるわけもありません。

しかしながら、イギリス・フランスとも戦勝国とはいえ、ヨーロッパが戦場になってしまったため、復興にいろいろとお金が必要です。

また、アメリカから借りた借金も返していかなければいけません。そのため、ドイツに賠償金の支払いをすぐにするようにせがみます。

アメリカによる融資

そこで、ここでもまたアメリカが入ってきます。先ほども言ったように、経済発展していたという事と、戦場がヨーロッパだったため、アメリカ大陸は無事でした。

アメリカは、ドイツにお金を融資し、そのお金でドイツが復興資金として使い経済を立て直し、それをイギリス・フランスへの賠償金として少しずつ返済していくということを提案します(ドーズ案)。

しかしながら、それでもドイツはアメリカに借金をしてしまう事になるのですが、賠償金よりも借金の方がましでした。ドイツはこの提案を受け入れ、アメリカは融資します。

そして、イギリス・フランスはドイツから得た賠償金によって、アメリカからの借金を返していくわけです。

このように、うまい具合にアメリカが間に入ることで、ドイツの経済も少しずつ回復していきます。そして、イギリス・フランスはアメリカへの借金を返すことができるわけです。

また、ドイツで起こっていたハイパーインフレも徐々に回復していきます。

大恐慌からすべてが崩れる

このようにしてうまくと思いきや、アメリカにも悲劇が訪れます。大恐慌です。

当時アメリカは、何か作れば売れる時代でした。西側の開発もあったので、どんどんどんどんモノを作って売っていきます。
ですが、あるときスンと売れなくなってしまいます

しかも、第二次産業革命によって、『物を作る機械』を機械で作るということをしていたため、売れなくなると大量に商品が余ってしまいます。ものが余るという事は、商品が売れなくなり、従業員や株主にお金を払うことができません。これによって、企業と融資していた銀行が連鎖的に倒産してしまいます。

なぜ急に売れなくなるのか

なぜ急に売れなくなったのでしょうか。
そのひとつに、『その地域にモノが行き渡ったから』と言えます。
例えば車を例に取って考えてみましょう。車が無い地域で、車を売ったとします。最初は売れ行きは良いですが、あるところでぴたりと止まるはずです。

それは車がその地域に行き渡ったということです。そんな状況なのに、車を過剰に生産すれば、当然売れなくなります。このような現象がアメリカに起きたわけです。どのぐらい生産すればどのぐらい売れるのか、生産量を調節しなかったため大恐慌が起きました。

ドイツ、イギリス・フランスはどうなった?

当然ドイツもアメリカの大恐慌の影響を受けました
ドイツはアメリカの融資に頼っていた面もあり、またもや経済的に不安定になります。そしてドイツからの賠償金を得ていたイギリス・フランスも大打撃を受けます。


うまく巡っていた三角関係は、アメリカの大恐慌によって崩れ、連鎖的に世界恐慌を引き起こしました。

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まとめ

アメリカの支援によって立ち直りそうなドイツでしたが、大恐慌の影響を受け、再び窮地に立たされます。

次回は、アメリカ、イギリス・フランス、ドイツ、ロシア、イタリアが、それぞれどのような対応を取ったのか説明していきます。

参考文献:一度読んだら忘れない世界史の教科書