茶杓のお作って、結局『誰』を言えばいいの?
茶道のお稽古をしていると、茶杓の御銘や、お作で毎回迷います。
この記事では、薄茶・濃茶の拝見をする際に必ず聞かれる
お茶杓のお作(作者)をメインに説明します。
スポンサードサーチ
お茶杓の御作(おさく)
私が稽古をしている限りですが、パターンに分けて二通りあるような気がします。
- 一般の方が茶杓を購入したケース:福本積鷹(ふくもと せきおう)
- 茶道先生方でお稽古をするケース:千家のお家元の名前
一般の方が茶杓を購入したケース
まず、一般の方が茶杓を購入したケースでは、
これは茶道のお点前にある『飾り点前』というお点前をする時に深くかかわってきます。
茶道の飾りお点前には、
茶杓飾り、お茶碗飾り、茶筅飾りの3種類があります。
つまり、茶杓・お茶碗・茶筅のどれかの道具に、思い入れがあるものを使用していますよ、というものです。
このようなケースでお点前を行う場合は、飾り点前になります。
今回は茶杓の御銘とお作についてですので、そちらに焦点を当てて考えてみましょう。
例えば、私が高校を卒業するというシチュエーションで考えてみます。
また、小さいころから茶道教室に通っていて、大学に進学してもそこで茶道部に入りたいと両親に日ごろから伝えていたとしましょう。
そして、高校卒業の時に両親から『大学でも茶道を頑張ってほしい』という思いから『茶杓』をもらったとします。
この場合、茶杓のお作はほぼ『福本積鷹』さんになります。なぜなら、
一般の人が入手できる口は限られているからです。
何となく分かりますね。
飾り点前をする時は、福本積鷹さんをお作にしましょう。
茶道の先生方でお稽古するケース
次に茶道の先生方でお稽古をするケースです。
圧倒的にこちらが多いと思われます。
この場合は、自分の流派の、現在、ひとつ前、二つ前の代の名前を言いましょう。
私の場合は裏千家ですので、以下のようになります。
- 坐忘斎(さぼうさい) 御家元(おいえもと)でございます
- 鵬雲斎 (ほううんさい) 大宗匠 (だいそうしょう)でございます
- 淡々斎(たんたんさい) 大宗匠(だいそうしょう)でございます
上記のどれかを言えば間違いないと思います。ぜひ活用してみてください。
以下も参考にしてください
>>茶道【茶杓のお作について】
この三人だけしか言っちゃダメ?
茶杓のお作として言える方は福本積鷹さんと千家の方というのは分かったと思います。
ではその方しか茶杓は作れないのか?という疑問が浮かびますね。
私はこの回答に対するきちんとした答えはもっていません。しかし、以下のサイトが参考になると思います
基本的に現在お家元のお手削りとされて流通しているものは、
お家元の専属の下削り師(茶杓や竹工芸品を作る職方)がお家元の好みに合わせて削ったものをお家元にお納めして、
お家元が櫂先を少し削って銘をつけたものが大部分なのだそうです。特別なお客様をお迎えする場合などはお家元が全て手削りされるそうですが、
著名なものとなるため、一般人には中々手に入らないのが現状だそうです。引用元:茶道具 茶杓のはなし
最後の一般の人にはなかなか手に入らないというのが重要です。
そして、先程の話に戻りますが、お坊さんが作ったものもあり、その一つが福本積鷹さんです。こちらはお求めやすいと書いてあります。
また、余談になりますが、淡々斎より昔の代の方は言っちゃだめなの?というのも気になるところですが、
正解は、茶杓の作者が、本当に淡々斎より昔の千家の方ならばOK、だと思います。しかし、それ以外は控えた方がよいでしょう。
これはきちんと聞いたことではありませんが、昔になればなるほど、昔に作られたお茶杓は減っていきます。
つまりは入手困難になってきますね。入手困難な茶杓のお作をわざわざ言う必要はないということです。
このような流れで、今を含めて3代までを推奨します。
また、季節ごとの茶杓の御銘については以下を参考にしてください。
こちらはお稽古の前の要チェック項目です。目を通すのと通さないのとでは、お稽古の質が変わってきます。お点前中に焦ることもなくなるでしょう。
>>稽古前要チェック!茶杓の御銘(ごめい)
以上、茶杓のお作についてでした。